身体のしくみ
出典: Sobotta's Atlas and Text-book of Human Anatomy (1909) / Public domain / Wikimedia Commons
背筋を伸ばしても気がつくとまた丸まっている。猫背が治らないという方は、姿勢を意識する力ではなく背中の真ん中が硬いことが関係しているのかもしれません。
意識しても戻る理由
「気をつけているのに、すぐ元に戻る」猫背でご相談に来られる方が一番悩んでいることです。
姿勢を保つには、その形になれる動きの余裕が必要です。背中が伸びる余裕がない状態で背筋を伸ばそうとすると腰を反らせることになります。力を抜いた瞬間に戻ります。
背中の真ん中=胸椎という12個の骨
背骨は首(頸椎)・背中(胸椎)・腰(腰椎)に分かれています。このうち背中の真ん中にあるのが胸椎(きょうつい)で、12個の骨が積み重なり、その一つひとつに左右の肋骨がつながっています。
胸椎は背骨の中でひねる動き(回旋)が最も大きい場所で、腰は構造上ほとんどひねれません。振り向く動きや手を伸ばす動きの多くは胸椎が動いています。
デスクワークやスマホで背中が丸まった時間が続くと、胸椎はその形のまま動きにくくなります。肋骨がついているぶん、もともと動く範囲が大きい場所ではないので硬さが出やすくなります。
肩甲骨を寄せても猫背は変わりにくい
猫背というと「肩甲骨を寄せる」と思われがちですが、寄せているのは肩甲骨で背骨は丸まったままになります。土台である胸椎が丸まったまま肩甲骨だけを寄せ続けると、肩甲骨まわりに力みが残って肩や首が疲れやすくなります。
まず背中の動きをだして、そのうえで肩甲骨まわりの関節、筋肉にアプローチする順番で行います。この順番が逆になっていることが多くなります。詳しくは猫背・姿勢改善ページでご説明しています。
背中の硬さを確認
道具はいりません。痛みが出ない範囲で試してください。
- ひねりを確かめる:椅子に浅く座って胸の前で腕を組み、骨盤を動かさずに上半身だけ左右にひねります。左右で回りやすさが違う場合や、どちらもほとんど回らない場合は胸椎が硬くなっているのかもしれません。
- 反りを確かめる:壁に背中とお尻をつけて立ち、腰と壁のすき間を手のひら1枚程度に保ったまま両腕をバンザイします。腰が壁から離れないと腕が上がらない場合も、背中の真ん中が動いていない可能性があります。
まずは、動きを確認してみましょう。
背中を動かす習慣をつくる
長時間同じ姿勢が続いたら、時々背中を反らしたりひねったりして胸椎を動かしてください。1回に長くやるよりこまめに軽く動かすほうが長く継続できます。
痛みや痺れが出るときは中止してください。無理に伸ばして痛みがますと逆効果になります。
具体的な手順(四つ這いプッシュ、座ったままできる壁プッシュ)は猫背・姿勢改善ページに載せています。
当院では動きを確認してから決めます
当院でも胸椎の動きに着目した施術やストレッチをご提案しています。まず背中と肋骨がどれくらい動いているかを確認し、骨模型や動画で一緒に見ながらご説明します。今の姿勢が症状にどう影響しているかが分かると、ご自宅でのケアも続けやすくなります。
根拠: 胸椎の過後弯(丸まりすぎ)と痛み・機能の関連 — Alahmari KA et al., 2022, Journal of Clinical Medicine(猫背・姿勢改善ページと同一根拠)
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